本場アメリカで受けた”洗礼”。
                            チアダンスを始めたのは高校に入学してソングリーダー部に入ったのがきっかけです。いわゆる今でいうチアダンス部なんですけど、ダンスは未経験な上に体が硬くて最初は苦労しましたが、とにかく楽しくていつも踊ってました。全国大会で成績を残し海外大会に行くことを目標に仲間と夢中で練習して、高校3年生のときにアメリカに行きました。実際に海外のチームの演技を見た時は、技のレベルや個々の身体能力の違いを感じ、見るもの全て憧れという感じでした。そこで勝とうっていう気持ちになれないぐらい、圧倒されましたね。
                             
                        
                        
                            会社勤めとの二足の草鞋。
                            高校を卒業してからはクラブチームに入ったんですが、レベルの高い選手が多く選手としての限界を感じるようになりました。その頃縁あって所沢北高校から指導に来て欲しいと言われたのがきっかけで、現役を引退し大学2年の頃から振り付けや指導をするようになりました。大学を卒業してからは「やっぱり社会人にはならないと」と思い、結婚式場に就職しました。ウェディングプランナーとして働きながら指導は続けていて、指導を始めてちょうど3年目に全日本チアダンス選手権大会の全国大会で優勝し、アメリカに行けることになりました。自分も高校生の時にアメリカに行けたという経験が本当に影響が大きかったので、絶対に連れて行きたいという想いはずっとありました。さらにそこで優勝したことをきっかけに、ウェディングプランナーの仕事を辞めました。
                             
                        
						
                            まずは感覚を共有することを第一に。
                            毎日同時並行であちこちの競技チームの振りを作っているんですが、作った瞬間忘れていきますね。作っても作っても生徒やダンサーを前にするとこっちの方がいいかな、いや、やっぱりこっちかな、とか。あとは振り付けが揃ってることに対してどうやって練習してるの?って海外の人から驚かれるんですが、私の場合は揃えるっていうよりは、例えば空に一つの星があってそこに手を伸ばすようにとか。みんなで感覚を共有して、一個の動きをするっていうことをやっていますね。ただ、角度を揃えるとか向きを揃えるとかではなくて、表情とか表現力が求められるので、感覚を共有することを大事にしています。
                             
                        
						
                            自分の夢と相手の夢を掛け合わせることが、チームワーク。
                            今現在の生徒の延べ人数は400人ぐらい、チーム数でいうと学校団体だけでも7チーム。みんな女の子なので色々ありますが、基本的にはみんなライバルであり、仲間でもあるので、一人ひとりの良いところと良くないところをしっかりと理解してあげて、自分でも気付いていないそういう部分をハッキリ伝えるようにしています。チアをやっている子って海外に行きたいとか、いろんな夢を持っている子が多いです。ただ、経験者じゃない子がチームに混ざっていたりとか、メンバーのレベルも様々。自分ばかりがどんどん上に行きたいっていうのを求めていくと、置いていかれてしまう子が出てきてしまう。常に自分の夢と相手の夢とを掛け合わせる作業をしなさいってことは伝えていますね。
                             
                        
						
                            いつの時代も、伝えるのは言葉の力。
                            常に若い子、現代っ子っていうのを10年以上、時代が変わっていく中で見てきました。私たちの時はこうだったのに、とかいう考えは捨て去りましたね。今はスマートに見せようとする子が多いですかね。どういう風に見られてるのかなっていう方に意識が向く子が多い。なのでインプットするまでに時間が掛かったりしますが、一人ひとりのペースに合わせて指導していきます。元々経験値が高い子もその自信を潰したりしないように、もう調子に乗ってもらって、でも「周りの素晴らしいところもあなたの武器にしていきなさい」っていう言い回しをしますね。ダンスを教えたり、振りを教えたりするのも基本的に言葉。振付師としても指導者としても言葉を磨いていかないといけないなってすごく感じています。伝える力というか、動作を見せるだけじゃなくて言葉でその人と繋がっていくってことを意識してやっていますね。
                             
                        
						
                            一人ひとりの輝きが、表現になる。
                            チアダンスを指導していて一番幸せな瞬間は、ダンサーが「あっ!やれるようになった!かっこいいかも!」って思ってる瞬間。ピカンって輝いてるので、その瞬間が嬉しいし幸せですね。チアダンスって果てしないというか、振り付けを作っては壊し、作っては壊し。正解がないからこそ、みんなの精一杯、ベストを尽くしたその時点のものが「本当の表現」なのかなって思いますね。常にそれを追い求めています。
							 
                        
						
                            今回のヒールとシャツを着てみて。
                            なかなか普段ジャージとかばっかりなので、気分が変わって嬉しいです。シャツは着方によって表情が変わっていいですね。普通に着るのと、衿を少し広げて着るのと、見え方と気分も変わりますね。ヒールもピンヒールだとシャンとしますし。仕事柄、審査員とかすることもあるので、そういう時に気持ちを高める為に着たい服ですね。
                        
						
							
                            	北久保みゆき Kitakubo Miyuki
								DREAM WONDERLAND
									https://dwl.co.jp/
                            	高校からチアダンスを始め、大学から現在まで、振付師、指導者として、数多くの競技チームを立ち上げから全国大会優勝・全米大会優勝へと導く。
									2018年には、第一回世界大学チアリーディング選手権大会で、チームチアジャズ部門の日本代表コーチとして金メダルを獲得。
									また、国内外の大会で、振付師に贈られるコリオグラフィー賞を9度受賞している。
									競技の枠を越え2014年には、チアダンスのエンターテイメントチームとして「DREAM WONDERLAND」を立ち上げる。
									現在に至るまで、イベントやメディアに多数出演。
									2018年には、チアダンスに関連する企業「株式会社ATORIE」を設立し、代表取締役を務めている。